江戸時代末期に建てられた古い日本家屋、それが私の生家です。田の字型の間取りに外廊下・北座敷・南座敷・奥座敷・離れ・・・とても広い家でしたが、家中見渡しても、壁クロスの貼ってある部屋は一部屋もなく全て塗り壁、床材はほとんどが畳でした。
ちょうど新興住宅と呼ばれる住宅群が建ち始めた時代でしたので、幼馴染の家は新しくて、洋風のインテリアに自分だけの部屋。自分だけの個室がなかった私はそれが羨ましくて仕方なく、よく新聞折込に入っていた建売住宅の広告を見ては自分の部屋のレイアウトを想像し、自分だけの部屋を夢見ていました。
そんな想像の世界に浸っていたことが私の原点です。想像の世界は私の夢であり、いま私はお客様のお宅をプランすることで自分の幼少期の夢を叶えているのかも知れません。
しかし洋風でも和風でも、家には其処に住まう人々の想いがあり、信条があります。今では生家に行く度に、そこで過ごし、養われたであろう全ての事に感謝をしています。私の根底の想い・信条は、幼少期に過ごした生家で養われたことに違いはなく、小さな頃に過ごした家はとても豊かな空間だったと今では分かるからです。
過ごす空間には人生そのものが詰まっています。
インテリアは人生そのもの（INTERIOR IS LIFE ITSELF)なのです。
「シンプルに美しく、豊かな空間を」
これはこの仕事を始めた時からずっと変わらない私の信条です。
それぞれの豊かさ、それぞれの美しさを引き出し、あなただけの空間をご提案することで皆様の暮らしを豊かにするお手伝いができれば、これ以上嬉しいことはありません。
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